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懐古主義には付き合えない

仕事をしていた頃、同世代の同僚との会話で辟易していたのは
『最近の子は…………私たちの頃は………』と言う不毛の会話。
私たちで括られましてもねぇ。

数学女教師
『私たちが子どもの頃は、家でちゃんと季節の行事してたのにねぇ?
 雛祭りとか豆撒きとか冬至に南瓜食べたりねぇ』

そうですねえと適当に返せばいいとは分かっていても
一緒にされたく無くてカチンとくるのは未熟者たる所以。
『ウチは全く何もしてませんでしたよ。雛人形も買って貰ってないし、
 豆撒きどころかクリスマスもスルーでしたけど?』
と言って空気を悪くするのが小気味良いひねくれ者ですよ。

音楽女教師
『今頃の子はベートーヴェンの”運命“も知らないなんてねぇ』
英語女教師
『ウチでは家族で年に一回はクラシックコンサートに行ってましたよ』

皆さま、恵まれた家庭でお育ちになられて良ぉございました。
ただ…もし自分に子供がいたら、
絶対にあなた方に教えて欲しくないと思った次第です。

雛人形もクリスマスケーキも無かったし、
お節の種類を知ったのはテレビだったけど、
そんな物が欲しいと思った事もなく恥じ入る気持ちも無かった。

家の中に本とかレコードとか文化的な匂いのする物は一切無く、
親は日々生活に追われて働き、暴言暴力に塗れた子ども時代を送っていた
のは決してウチだけでは無かった。

自分が惨めになるので、貧乏を僻んだり恨んだりはしなかった。
でも、暴言暴力に関しては両親への怒りや恨みを抱いていた。
父が仕事で数日間居ない時の束の間、
母の機嫌が良くて無邪気に戯れあった時間だけが宝物だった。
その瞬間は貧乏とか無関係に幸せだった。

ただ…本への逃避と執着が生まれた




最近の子も昔の子も、経済的文化的格差は同じようにある。
伝統行事やベートーヴェンを知らないからって、それが何?
そんな事で今の生徒や私の子ども時代を判断しないでいただきたい!
……と、今思い出しても怒りが湧いてくる未だに未熟者の60代ですよ。

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写真撮って撮ってと盛り上がる
無邪気なインドの子どもたちを思い出して
心穏やかにしようか…






by love_dolly | 2023-01-12 13:52 | 戯言 | Comments(0)