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思い出せない母の手

20年前に突然逝ってしまった母。



両股関節に人工関節が入り松葉杖無しでは歩けなかった。
強い睡眠薬のせいで日中も眠っている日が多くなったが
それでも寝たきりにはならず家の中でも松葉杖で歩いた。

筋力の低下や薬の副作用も有り
夜中に布団を濡らし起こされる事が続き
尿もれパッドやパンツ型のオムツを付けてもらった。
週に3回はデイサービスにも行ってくれた。
お風呂にはいつも一緒に入りシャンプーもしてあげた。

軽い認知症ぐらいで内臓に大きな病気は無かったし
まだ72歳だったので
母を失う事など頭をよぎりもしなかった。
それよりボケていく母を
怒鳴って責め続ける父への怒りで一杯だった。
怒鳴られた母はいつもパニックになって私を責めた。

今は93歳の父が杖を付いてもどんどん歩けなくなり
浮腫んで腫れ上がった両足を持て余している。
高血圧や糖尿病に腎臓病に肺ガンなどに加え
腎性貧血のせいなのか元気も無くなって
認知機能も低下し続けている。
先月からはゴミ捨てにも行かなくなり
ここ何日かは庭へも出ずに寝てばかり。

この数ヶ月で随分と弱ってきたので
どうしても遠くない最期を感じてしまう。
それでもこうやって父のお世話を出来る事は
いつか必ずやってくる別れの前の
ボーナスタイムかもと思えるのは
母の時にはそう言う準備時間が全く無かったからだ。

着替えもヘアセットも肌の手入れも爪切りも
母自ら出来たのに全部してあげた。
それらは全く別れを意識したものでは無く
母に支配され共依存の沼にはまり込んだ母娘の日常だった。

あれだけ母の手を握って爪を切ってあげたのに
母の指や爪の形が思い出せない。
自分の爪を切るたびに
母の爪に似ているのかが気になってモヤモヤする。

そういえば父の手もゴツゴツしているぐらいしか
意識したことはない。
まだ父の爪を切ってあげたいとは思えないが
そっと盗み見ておこう。

思い出せない母の手_f0090137_16225526.jpeg
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Commented by wanio1507 at 2025-09-17 16:33
当たり前にあるモノほど
記憶してくれませんよね。
でも逆に、
まったく違うことを覚えてたりします。
この理不尽があるから
なんとか日々やっていける気がします。
言い訳が出来るので。
Commented by love_dolly at 2025-09-18 10:09
> wanio1507さん
当たり前の光景は無意識に通り過ぎ
それでもいつも夢に出てくる母の
困った表情にドキドキします。
今は父の一挙一動を意識的に見ています。
昨夜は箸を持つ父の手と爪を観察してみました。
意外に私の爪の形は父に似ているのかもと発見しました。
Commented by msz at 2025-09-18 19:16
母はまだできることなのに、世話してしまう。
去年の夏に母が入院するまでの私がまさにそれでした。
私も共依存なんだなと改めて実感。
「やらなくちゃ」と思ってしまう。やらないと罪悪感が襲うし、一方で、自分がやったほうが手っ取り早いという気持ちもあったりする。そんな気持ちがグルグルとまわる毎日でした。

入院後も毎日行かなくちゃと思っていたら、看護師さんから「そんな毎日でなくても大丈夫ですよ。無理なさらず、ご自身の体調も大事になさってください」と言われて我に返った感じでした。

生活の中でお父様の変化を感じていると思いますが、その変化にご自分を追い詰めることのないようにお過ごしくださいね

猫ちゃんスマホケースもかわいい♡
Commented by love_dolly at 2025-09-19 10:07
> mszさん
ありがとうございます。

父がヨタヨタした動きで自分の部屋へ物を取りに行くときとか
見当違いの場所で探し物をしている時とか
まさに私がやった方が早いんだがと思う気持ちを
グッと我慢して見守っています。

母は最初から最後まで私に甘えていていたのですが
父はまだ自分でしようとしているので
その気持ちは大事にせねばと。

私も母の数回の入院時には毎日行ってましたよ。
行かないと寂しがるので…と甘やかしていました。

持ち物が猫だらけで…
そういうことにも癒されます。
Commented by mihi_liebe at 2025-10-01 10:10
dollyさん〜こんにちは😊
お変わりございませんか?
私は、ここ5日位気象病が酷くて動けないでいます(^_^;)
お母様が亡くなった経緯を拝読させて頂いたのですが、ショックが大きくてコメントが残せませんでした!
dollyさんにとっては、心に深い傷を残すことになってしまった事と思いますし…当時の事を文章に書き出すのも痛みを伴ったと思います。
でも、ブログに書いたことで少しずつ心が癒されていきますように…願っていますm(_ _)m
お母様は、きっと娘さんのdollyさんに迷惑をかけたくなくて旅立っていかれたのだと思います。親というのは結局はいつも子供の心配をしていますから…。
Commented by love_dolly at 2025-10-01 13:50
> mihi_liebeさん
ありがとうございます😊
最近は湿度が下がってきたせいか
ダルダルも少しはマシになりつつあります。
あとは自分のやる気の問題かと…(^^;)
母の死は本当に突然でなかなか受け入れられませんでした。
当時は新年度からの仕事が増えて
母をリハビリに連れて行く時間も取りにくくなっていたので
仰るように母が気を利かせたのかもと思いました。
ブログに吐露する事で自分の気持ちが整理され
癒されていきつつあります。
HATOKOさんのダルダルも少しずつ良くなりますように。
by love_dolly | 2025-09-17 16:13 | 親と介護 | Comments(6)