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作家になりたい男



このスティーブの英会話教室に通い始めて
レッスン仲間となったYと言うシャイな男。
レッスン中の会話は真摯でありながら
想定外のジョークやハッとする鋭さも見せる。

レッスン後はスティーブとYの3人でよく呑みに行って
ワイワイと楽しい時間を過ごした。

この時期のYは交通警備員のアルバイトをしていた28歳。
歳上の教師の奥さんとの間に子が1人。
さらに愛知にいた時の20歳の頃 
結婚し子が2人いて養育費も払っていた。

付き合いが長くなるにつれて
彼のワイルドな風貌の裏にあるセンシティブな部分に驚いた。
そして互いの恋愛体質な部分がニアミスを繰り返し
まさに絵に描いたように恋に落ちた。
……と言っても 当時の私は46歳。
一時の気の迷いだと冷静に分析する自分もいた。

交通警備員の次にはパン屋さんやファミレスの厨房。
パンも焼けるし料理もできる男だった。
そのあとは地元のケーブルテレビ局で取材をしたり
時にはレポーターとして出演したりしてた。

しかしセンシティブ故に適応障害の兆候が出て
鬱状態になったりして辞めた。

ずっと小説を書いていて
完成した物を初めて読ませて貰った時には
かなりのショックを受けた。

ミステリーの緻密な構成に情景描写の巧みさ
的を得た会話文の差し込み方……
プロの作家でなくともコレぐらい書ける人は
うじゃうじゃいるだろうし
コレぐらいで作家になれるとも思わないが。

私の知っているYがこういう物が書ける事に
心底驚き 何故か悔しかった。

彼は作家になりたい人だった。
ネットの小説投稿サイトでグランプリになり
ペーパーバックの本になったり 
自分で電子書籍化したり。

作品が出来上がるたびに皆んなは誉めまくるが
私だけは正直な感想も言い傷付けた。
彼の小説を読んで物足りなかった心理描写。
それは彼自身が自己分析から逃げている事と
無関係とは思えず苛立った。

いつの間にか恋愛は冷めてまたタダの友人になった。
そのずいぶん後 彼の妻は子どもたちが18歳になったのを機に
家を出て行ったが 妻が買った家なので2年の猶予を貰い
自分の居場所を探さねばならなかった。

出身地の九州に帰るしか無いかと思いきや
ある日突然 秋田で暮らすと言い出した。
恋愛体質が発揮された模様だ。

しかし半年後には止めになり
その半年後には奈良の女性の元に引っ越した。

今はその奈良の女性と3度目の結婚をして九州の離島に暮らし
好きな釣りをしながら小説を書いている。

彼はどうしても1人では居られないし
困った時にはいつも歳上の女性が現れて
何処へでも直ぐに飛んで行く自由さがある。

作家になりたい男 まだ51歳なのか もう51歳なのか
コレからも作家になりたいままでいて欲しい。
(いや別に本当に作家になったら嬉しいけど)





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Commented by wanio1507 at 2025-07-19 17:58
いろんな人がいて、
いろんな人生があって、
事実は小説より奇なりなのに、
それを小説にするにはちょっと欠けてる。
たぶんそれが人生ってヤツなんでしょうね。
完璧なモノはないってことか。
Commented by love_dolly at 2025-07-20 10:40
> wanio1507さん
欠けてるから面白いんでしょうね。
他人から見たらですけど。
本人が欠けてる部分を自覚して
開き直れると楽になれるのかな。
Commented by wanio1507 at 2025-07-20 11:51
そうですね、
自覚できて
他人事のように語ることが出来れば、
一皮むけるかも知れませんね。
Commented by love_dolly at 2025-07-21 10:10
> wanio1507さん
そうなんでしょうけど
まぁ本人が精神的に楽に暮らせていれば
それがベストでしょう。
by love_dolly | 2025-07-19 15:49 | 戯言 | Comments(4)