人気ブログランキング | 話題のタグを見る

すれ違ったお嬢様

日曜の午前中は習字教室
先生は優しいクマさんみたいだった。
時間は決まっていなくて自由に出入りでき
熱心な生徒では無かった私には
その大らかな雰囲気が良かった。

小学生の私は大人しかったので誰とも喋らず
適当に書いてさっさと帰っていた。

ある日 同い年ぐらいの女の子が弟を連れて来た。
綺麗で色白でほっそりとして着ている物も華やかで
ひと目見てお嬢様である事が分かった。

同じクラスには居ないタイプで眩しかった。
ちょっと足を崩して座った弟を
お行儀が悪いでしょと叱る上品な優等生ぶりにも驚いた。
他の子とワチャワチャ話す事も無邪気に笑う事も無く
しっかりしたお姉さんみたいだった。

周囲の話から
彼女が近所の病院の娘で
国立大附属小学校に通っているのが分かり納得した。

6年生になった私はと言えば彼女とは違い
貰った月謝で買った本を平和公園に行って読んだりして
サボりがちになっていった。



附属中学に上がった彼女は毅然とした態度に磨きが掛かり
ますます近付き難い存在になっていた。
私はいつの間にか習字教室はやめてしまった。

県立高校2年生の時のクラス替えで
同じクラスになった彼女と再会した。
視線が合って互いに驚いたが
どちらからも話しかける事はなかった。

高校の2年3年はクラス替えが無かった。
保守的な正論を述べてクラスをまとめようとしたり
ふざける男子をいさめる彼女が苦手で避けていた。
お嬢様な雰囲気に擦り寄る女子も多く下らないと思っていた。

私はグループを作って群れる女子が面倒で1人でいたかったし
全てを斜めから見て冷笑するようなタイプだった。
必要に迫られて彼女と話す事があっても
彼女の話し方が上から目線に感じられて嫌だった。

育った環境の大きな違いに
卑屈な私の方が下から見ていたのかもと
今になって思う。

25歳の頃 母が入院している病院の洗い場で
偶然彼女に再会した。
東京のお嬢様大学を卒業した彼女は
(お嬢様大学って思ったのは羨望か皮肉か…)
明治創業の老舗呉服店の嫁になって
(あまりのお似合いコースに脱帽)
入院中のお舅さんのお世話をしていた。

それから長い年月を経て6年前の同窓会。
初めて参加した私は彼女の事はすっかり忘れていた。
誰が誰やら分からない人もいたが
次々と声を掛けられ懐かしく談笑した。

途中で名前を小耳に挟んで
そう言えばと思い出した彼女を探す。
二次会にも行ったのに
彼女は明らかに私と目線を合わせず避けている。
結局一言も話さなかったのは彼女だけだ。

苦手なタイプだったのはお互い様だったよね。
それももうどうでも良い事なのに
私からじゃんじゃん話しかけてみれば良かった。
いや無理か………

すれ違ったお嬢様_f0090137_16052289.jpeg
今日のおやつは
広島の老舗お菓子屋さん







ブログランキング・にほんブログ村へ







Commented by wanio1507 at 2025-05-31 15:21
互いに何となく気になる、
なんとなく苦手、
そうゆう相手って人生でそう多くないけど
出会う。
そして何度か偶然で再会しても
やはりしゃべれず、
前世からの因縁かも知れませんね。
Commented by love_dolly at 2025-05-31 16:24
> wanio1507さん
コメントありがとうございます。
前世からの因縁……確かにそう言うのって有るかもですね。
死ぬまでにもう一回ぐらい会ってしまうのかも。
あるいは火葬炉が隣同士とか……


それにしても高校時代の私は
明らかに彼女より性格悪く嫌われて当然だったわと
ブログを読み返して思った次第であります。


Commented by wanio1507 at 2025-05-31 20:27
そうゆうフラットな視点、いいですね。
ジコチュウだった人が
「アタシ、ジコチュウだった」と、
省みることが出来るのは
その地点からずっと大人になれたって事ですもんね。
Commented by love_dolly at 2025-06-01 10:45
> wanio1507さん
大人になれてるんでしょうか?
だったら長いこと生きて来たのも無駄にならなくて良かった。
そもそも自分が良い人だと勘違いしないように
突き放してみる瞬間も必要かもですね。


by love_dolly | 2025-05-28 16:20 | 戯言 | Comments(4)